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二日目、燕三条の魅力を堪能すべく、この地の誇る洋食器と刃物の名声に惹かれ、自身へのお土産としてカレー用スプーンを購入した。その後、当地の名物たる背脂醤油ラーメンを堪能し、水族館マリンピア日本海へと足を運んだ。
燕三条のラーメンは、その特徴的な背脂の使用法が白眉である。極太麺と相まって、濃厚な煮干し出汁の醤油スープに豚の背脂が浮かぶ様は、まさに視覚と味覚の饗宴と言えよう。玉ねぎのシャキシャキとした食感が、この豪快な一杯に清涼感を添える。その独特の風味と食感は、他の地域のラーメンとは一線を画す、燕三条ならではの逸品である。
興味深いことに、タクシーの運転手から聞いた話によれば、地元の人々はラーメンを食べに行くことを「給脂」と呼ぶらしい。この表現は、背脂たっぷりのラーメンを摂取することが、まるで機械に油を補給するかのような印象を与え、当地のラーメン文化の深い根付きを如実に物語っている。
マリンピア日本海は、筆者に深い感銘を与えた。日本海大水槽では、約800立方メートルの水量を誇る空間に、日本海の生態系が見事に再現されており、コブダイやサバ科の魚類が悠々と泳ぐ様は、まさに海中散歩の如き体験を提供した。イルカショーも圧巻であり、単なる芸の披露に留まらず、イルカの生態や体の構造に関する詳細な解説が付されており、娯楽と学習が見事に融合していた。さらに、この水族館が世界で初めてアカムツ(のどぐろ)の人工繁殖に成功したという事実は、その研究・保護における重要性を示すものであった。
加えて、筆者が最近手に入れたinsta360 ace proを駆使し、この旅の様子を動画に収めた。この最新鋭のカメラは筆者の旅路を鮮明に記録することに一役買った。水族館内の幻想的な光景や、イルカショーの躍動感あふれる瞬間を、臨場感たっぷりに捉えることができた。この動画制作は、旅の思い出を新たな形で残すという、デジタル時代ならではの楽しみを筆者に提供した。
しかしながら、つくづく事前にレンタカーを予約すべきであったと痛感した。当地の公共交通機関は、電車の運行頻度が1時間に一本以下という稀少さで、移動の自由度を著しく制限する。この教訓は、今後の旅程計画に大いに活かされるべきものである。
どうにか電車の待ち時間を有効活用すべく、動画の整理などに勤しみ、予定をこなすことに奔走した。旅の醍醐味は、このような予期せぬ事態にも柔軟に対応し、限られた時間を最大限に活用する術を学ぶことにもある。
旅は、まさに学びの宝庫である。地域の特色ある文化や産業に触れ、交通事情の違いを体感し、時間管理の重要性を再認識する。これらの経験は、単なる観光以上の価値を持ち、旅人の見識を広げ、人生を豊かにする貴重な糧となるのである。